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製造工程を省略化したい・ろう付け技術者の高齢化も進み今後が心配だ - トーヨーメタル株式会社(ToyoMetal)

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開発エピソード

製造工程を省略化したい・ろう付け技術者の高齢化も進み今後が心配だ

カテゴリ: 開発エピソード①
ろう付け省略化設備

少子高齢化・人件費高騰など、どの企業でも現在直面しているような相談が今回お話ししたい開発品の発端でした。

そのお客様には、弊社製品のUB・CB・分岐菅・バルジ品など多種類の銅加工品を納入させて頂いておりました。

上記品を使用し熱交換器を製作するうえで、使用数が圧倒的に多い UBのろう付け省略化設備を製作したお話をさせて頂きます。

 

まず、熱交換器・UBでピンと来ない方もいらっしゃるかもしれないので、イメージを載せておきます。例として家庭用クーラーなどのフィルター部分を開けると見える箇所です。

話は戻りますが、基本的にろう付けは1箇所ずつ手作業になり尚且つ熟練した技術が必要になります。

ろう付け省略化設備

 

今回省略化を行った熱交換器は写真のものと比べるとかなり大きく、MAXで幅1200mm 高さ4000mm程度から、Min幅400mm高さ1000mmなどの異なるもの数種類に対応できる省略化設備の製作でした。

UBの取り付け数も写真は1台当たり数個程度ですが、今回の熱交換器は1台当たり20個~30程つきます。

制作について

実際に製作した設備の写真はあいにく開示出来ませんので、お話しのみさせて頂きます。

 

設備の構想として端的に説明すると、上部は加熱用バーナーがあり下部はワーク固定用の装置があり下部でワークを固定し、上部のバーナーで加熱を行いろう付けするという構想です。バーナー側にろう付け部分を向けて、立てかけるようなイメージです。
簡単に説明すると、上記のような簡単な構想になりますがワーク自体が非常に大きく、全てに対応するため、設備自体は高さ5000mm 幅2000程の非常に大きい設備になりました。また、それだけ大きい設備且つワークも大小さまざまなものがあるのでバーナーは機械で完全に制御しておりましたので、ほぼ狂いなく所定の位置に指定できるのですが、ワークを所定の位置に置く工程には非常に苦労しました。

設置時に最下点では、+-1mm程の狂いでも、大きいもので4000mmも高さがあるのでろう付け部分になると非常に大きな狂いになります。当初の設計では、固定用装置にワークを押し当て簡易的に挟み込みを行い固定する機構でした。


何度もろう付け試験を行ったのですが、やはりワークの位置が安定せずバーナーの位置を変更してみたり試行錯誤は行ったのですが、ろう付け面もバラつきがあるような状況でした。このような状況では、品質面・量産面で使用が難しい設備になってしまいます。

 

やはり、ワークの固定をほぼ間違いなく出来る機構でなければ安定した品質・量産は不可と判断し追加設備を機構に取り付けることにしました。
今までは、ワークの丁度中間くらいに来るように固定個所がありましたが、ワーク自体のバラツキもあり、位置決めで一番肝心である上部も固定してろう付け面のズレを限りなく小さくし、より水平度が出ているか確認するためにレーザーポインターを追加しました。

 

その結果、より安定しろう付けを行える事ができました。

 

最後に、当時を振り返ると非常につらい部分も思いだしますが
今思えば貴重な体験だと思います。

今後とも、トーヨーメタル株式会社を宜しくお願い致します。