コラム第18回 シリーズ仮想通貨~③法定通貨の価値と根拠~
前回、ある芸人をディスりましたが、実はこの芸人のような見方になるのは仕方の無いことでもあります。
それは私たちが日本というとても安定した国の国民だということも関係しています。日本の法定通貨は円です。よく円の信任などという言葉も耳にします。ではなぜ円は日本の法定通貨足りえるのか?実はこれ現在の経済学では結論が出ていないテーマなんです。円に限らず、ドル、ユーロ、ポンドなどにも同じことが言えます。しかし有力な説はいくつかあり、そのなかでも私も納得いくものが、法定通貨には納税機能があるということです。裏を返せば国家(政府)は法定通貨でのみの徴税権を有し、納税者は法定通貨のみでの納税義務を負っています。だからいくらドルが世界の基軸通貨であろうとも、日本では使い勝手が悪いということになるのです。先の芸人のように円信奉者になるのも無理は無い話なのです。しかしこれは安定した国家での話。ではもっと不安定な他の国ではどうか?最近ハイパーインフレを起こしたジンバブエの法定通貨のジンバブエドルは完全に紙切れでした。法定通貨の目的を果たせませんでした。そのほか途上国では法定通貨そのものが不安定なんです。となれば自国の通貨より仮想通貨のほうに需要が高まります。中国の資産家ですらビットコインで資産を海外へ逃避させました。仮想通貨は法定通貨と同等かそれ以上の信任を得るところまで来ているのです。政情が不安定な国ほど仮想通貨を法定通貨として取り入れる可能性は高いと思います。しかしそれでもまだまだ価値が乱高下する事があると思います。乱高下の要因は、これまで見たことも無かった仮想通貨の価値を誰も正確に判断できないでいるということがあります。株や為替は有る程度基準となる指標が存在しますが、仮想通貨には無いんですよ。また外国為替、債権、株式に比べて、まだあまりにも市場が小さく流動性に欠けることも乱高下の要因といえます。ビットコインは現在120万円程度で推移していますが、本当は1億円の価値があるかもしれないし、1万円の価値しかないかもしれない。たとえばダイアモンド。あれ見た目ただのガラスですよ。しかも成分は炭素ですよ。一歩間違えれば炭です。いやむしろ備長炭や黒鉛のほうが実用性が高いです。それでも圧倒的にダイアモンドのほうが高価なのはなぜですか?現在の仮想通貨にも同じことが言えます。しかし仮想通貨がダイアモンドと違うのは実体経済に対して圧倒的かつ潜在的に需要があるということです。そして大きなダイアモンドは邪魔ですが、仮想通貨は永久無形なんです。実は日本円でさえ安泰ではありません。仮想通貨は超効率化社会を生み出します。それは社会保障や介護の分野にまで及びます。税金を投入する必要がなくなる可能性があるのです。つまり徴税の必要性がなくなってしまうかもしれないのです。円の法定通貨たる根拠を崩壊させる力を仮想通貨は秘めています。管理人T