コラム第15回 神戸製鋼の不正と日本製への幻想
管理人Tです。神戸製鋼の不正があちこちで影響を及ぼしていますがはっきり言って氷山の一角でしょう。
その後もぽろぽろと別の企業でも不正が発覚しています。以前自動車では燃費偽装もありましたし、日産とスバルも完成検査での不正が発覚しています。スバルは私の認識では技術と倫理しかとりえのない企業です(←注 褒めてます)。その意味で世界の最高峰といえます。そのスバルが内規とはいえ不正をしていたわけですから、日本や世界のいたるところでで大なり小なり不正は行われています。それが論理的なものの見方というものです。しかし神戸製鋼の不正はことの重大さの次元が違います。素材データの改ざんは安全性に直結します。そもそも安全基準は数倍のマージンを見ているため、少々規格から外れたところでただちに安全性に問題を生じることはありません。その証拠に各社「安全性に問題はないことを確認している」とコメントを出しています。たしかにすべてに対応すれば経済が止まります。でもなんか腑に落ちませんよね。JIS規格とはなんだったのか?先のコメントを省略せずに書くとこうなります。「JIS規格から外れたものを使用していますが、安全性を確認しましたので、このまま使用続けます。だってリコールしたら、すごいお金かかるし、世界経済が混乱しますから。」ということです。なんか原発事故のときの「直ちに健康に影響はない」みたいですね。年間1mmシーベルトとはなんだったのか?と同じ構図です。心ある技術者たちは忸怩たる思いをしていると思いますよ。でも心ある技術者など少数しかいないんです。ほとんどは普通の人です。グローサリーアウトレットというものがあります。賞味期限切れの食品を売っていてめっちゃ儲かってます。わたしはむしろこちらのほうが誠実だと思いますね。ではなぜ日本製は高品質だといわれていたのか?ここからはすべて私の憶測です。昔から日本でも不正をしていた。ただ日本人特有の倫理の高さと真面目さから不正は影響がかなり限られた範囲でしか行われず、一方世界では完全に不良品となるレベルで行われていた。だから日本製は高品質だったのです。つまり品質とは消費者にとっては相対評価なのです。しかし技術とシステムの発達によって日本と世界との差はほとんど無いといっていいレベルまで来てます。あなたが使っているそれ、中国製ですよ(笑)。グロサリーアウトレットに見習えばこうなります。「規格や基準からは少し外れているものもあります。でも安心してください。安全性に問題はありませんから。」